2024年問題対策で品川の倉庫を譲渡、2拠点を新設
スターゼンロジスティクス株式会社が株式会社フジタに港区港南にある土地建物を売却します。売却価格の譲渡先の意向により公表はありませんが、譲渡損益は約75億円。この売却契約は今年2月に締結され、土地は2025年3月までに、建物は2026年9月までに引き渡される予定です。
この運河沿いの土地は4,800平米(1450坪)で、準工業地域に位置し、最大容積率は400%です。11階建ての建物は延床面積が15,900平米ありますが、ほぼ50年経過しているため、買主は解体を計画していると考えられます。土地のみを狙う取引であれば、坪単価は約516万円(一種単価129万円)。
主要な市川市サブマーケットにおける工業用地の取引価格は、容積率が200%の場所で坪単価200万円(一種単価100万円)となっています。これは、日本の多くの工業用地の標準的な容積率です。スターゼンの土地は容積率が400%ですので、これは坪単価400万円に相当します。したがって、この場所で坪単価516万円という土地価格は妥当と言えます。
スターゼンロジは2024年問題対策で神奈川県川崎市の東扇島と兵庫県伊丹市に2つの物流拠点を新設し、冷凍・冷蔵商品の保管能力を32,000トンにほぼ3倍に増やします。東扇島は、ダイワコーポレーションから賃借されます。この7階建ての建物は、延床面積が39,000平米で、27,000トンの保管能力を持っています。完成は2026年4月を予定しています。伊丹は、スターゼンロジが所有し、使用する予定です。その間、スターゼンロジは2026年9月までフジタから港南の建物を賃借し、段階的に企業運営を移転します。
東扇島と伊丹の物流拠点が冷蔵施設であると仮定すると、現在の市場価格に基づいた総開発費用は、それぞれ約215億円と25億円と考えられます。市場情報によれば、ダイワコーポレーションは東扇島プロジェクトで、スターゼンロジとの30年間の賃貸契約の安全性を考慮すると、コストに対して約5.0%のNOI(キャップレート)利回りを求めるか、やや低く見積もる可能性があります。
スターゼンは、2023年に売上高4100億円を記録した食肉加工業者です。品川駅の東側に食肉加工業者がいるのはなぜかと思われるかもしれません。それは、駅から徒歩4分の場所に位置する東京食肉市場と関係があるかもしれません。この市場は、牛の頭数と総取引額に基づいて、日本最大の食肉市場です。2023年には約34万1千頭の牛が取引され、総取引額は1380億円に達しました。
2024年7月12日
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